旧法借地権と新法借地権の違い

以前、借地権の売却についての記事を掲載しました。

借地権についての豆知識

今回は、【旧法】と【新法】の違いについて解説したいと思います。

■ポイント
旧法借地権:1992年(平成4年)7月31日までの契約
新法借地権:1992年(平成4年)8月1日以降の契約

元々借地法、借家法はありましたが、様々な経緯があり今日に至っています。改正された経緯はここでは割愛します。

借地権の種類

➀普通借地権

木造住宅などの「非堅固建物」の存続期間は20年でしたが、新法になって一律で30年に延長されました。それと同時に、更新をする際の条件もはっきりと記載されています。これにより、正当事由に当てはまらない場合は地主が拒否できるようになっています。

借地人への保護を行うと同時に、地主の権利もきちんと守っているという、バランスの取れた内容になっています。

➁定期借地権

一般定期借地権 事業用定期借地権 建物譲渡特約付借地権
10年未満 × × ×
10~30年未満 × ×
30~50年未満 ×
50年以上 ×
更新 なし なし なし
利用目的 制限なし 事業用限定 制限なし
契約方法 公正証書による書面等 公正証書に限定 制限なし
建物買取請求権 なし なし あり
契約終了時 更地で返却 更地で返却 建物付で契約

定期借地権では、契約の存続期間は50年と決められています。そして、原則として契約の更新はできません。そのため、期間が満了したら地主に土地を返すことになります。

地主は、定期借地権による契約を結ぶことで、確実に土地を返してもらえるという保証を得られますので、安心して遊休土地を有効利用できるようになりました。借地人からすると、契約が終わったら返さなければいけないという不安感があるとはいえ、その存続期間は50年ですので十分な長さを持っています。

また、存続期間が50年と区切られているため、この借地権の譲渡は安くできるというメリットも生まれます。それだけ初期投資を安く済ませることができて、活発に投資や住宅建設ができます。

基本としては、この普通借地権定期借地権の二つが借地権のメインですが、新法では新たに他の三つのタイプの借地権も定義されています。

③事業用定期借地権

事業用の建物に限定される権利で、期間満了後の更新はできないことになっています。そして、存続期間を10年から50年未満の中で設定できます。事業者の都合によって短くすることも長くすることもできますし、地主が最終的に土地を返してもらえるというメリットもあるんですね。お互いにとって利用しやすい権利とも言えます。

大きな道路沿いのコンビニや飲食店、ファミリーレストラン、家電量販店などの出店で多く採用されている形態ですね。

アパートやマンション等、居住目的の建物は建てられない点と、契約書は公正証書による書面で作成する必要があるポイントを押さえておきましょう。

➃建物譲渡特約付き借地権

存続期間は30年以上としますが、この借地権の特徴は存続期間が満了した時に、地主が建物を時価で買い取るという内容ですね。そして、基本的に更新はできません。この権利はやはり借地人と地主の両方にメリットをもたらします。

借地人は更新ができないとしても、建物を買い取ってもらえますので資金を回収できますし、更地に原状回復して戻す必要がありません。地主としても土地を確実に返してもらえますので、安心して貸せます。

実際のシーンのおいては、居住用マンションに多いです。

⑤一時使用目的借地権

工場などの仮設事務所、倉庫やサーカスの劇場設置、イベント用建物など、一時的に使用するためだけの借地権です。数年もしくは数か月のみの賃貸借契約となりますね。旧法では、こうした短期のみの利用を考えた借地権の概念があまりなかったので、新法で明確にされてトラブルを避けられるようになっています。

明文化された契約書を交わすことができるようになり、借地人にとっても安心ですし、地主も土地を貸しやすくなるというメリットが生まれています。

まとめ

まとめると、以下の様になります。目的に合わせて細分化され、双方が利用しやすい形態に変わった、と覚えればいいと思います。

【借地権】
■旧借地権(~1992年まで)
■新借地権(1992年以降)
➀普通借地権 ➁定期借地権 ③建物譲渡特約付借地権 ④事業用定期借地権 ⑤一時使用目的借地権

重複しますが、現在の借地借家法は、旧借地法を改めたものです。旧法時代に結ばれた借地契約は、新法が施行された今日現在であっても旧法が適用されますが、双方の合意により、新法に変更することは可能です。

しかし、実務上は旧法を新法に変更するケースはまずありません。旧法が借地人にとっては更新後の契約期間等が有利になっているからです。旧法の契約内容で更新、更新で続いている借地契約は多数存在します。

ここでは、旧法と新法の違いを大まかに解説しました。

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