空き家管理ってどうなの?

空家の管理に困った人が急増しています。「実家が空き家になってしまったがどう管理すればいいのだろう」 このような悩みをお持ちではないでしょうか?他のことにも手がかかるので、空き家の管理はなかなか難しいですよね。

そもそもどうやって管理していけばいいのかもわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、適切な管理方法を学べば空き家でもきちんと維持管理することが可能です。ここでは、自分でもできる空き家管理についてポイントを纏めてみました。

空き家の管理方法

全体の換気を充分にする

人が住んでいない空き家が老朽化してしまう一番の原因は『湿気』です。家は人が暮らしていないと湿気がたまってしまいます。この滞留した湿気のせいで、家が徐々に腐っていってしまいます。これを防ぐには、定期的に換気をすることが大切になってきます。定期的に空気を入れ替えてあげることで、家のなかにたまった湿気を逃がしてあげる事が必要です。

換気をするときには注意点があります。とくに靴箱、押し入れ、クローゼットなどは湿気が溜まりやすいです。このようなところを徹底的に換気するとより効果的です。全ての開けられる窓を開け、空気が通りやすくします。

通水をしておく

空き家を管理するために通水も欠かせません。というのも水道を使わずに放置してしまうと、水道管が錆びてきてしまいます。するとその錆が原因となって水道管が破裂してしまう事も起こりえるのです。通水の必要性はそれだけではありません。長い間水道を使わずに放置しておくと、水道管のなかにある水が蒸発して乾いてしまいます。結果として、下水管からの空気が水道管を伝って流れ込み、家のなかの悪臭を招くことにもなるのです。

最悪の場合、水道管から害虫やネズミや侵入することもあります。こうなることを防ぐために、定期的に通水をして、異変が無いかどうか確認する必要があるのです。

最低でも1か月に1回くらいは通水の確認をしなければなりません。チェックすべき点は、水の出方は悪くないか錆びが混じったような赤茶色の水が出ないかなどです。通水は1分くらい水を出しっぱなしにして行います。1分程度水を出すだけでも水道管に新しい水が送りこまれるので乾くことを防止できます。同時に錆びやなにかしらの異常が無いかを確認することが可能です。

雨漏れのチェック(目視)

もし、空き家で雨漏りしていたら大変です。そのまま放置しておくと、壁や畳に大量のカビが発生します。そのうえ、天井や柱の木造部分を腐らせてしまう原因にもなり、資産価値の大幅な低下を引きおこしてしまいます。雨漏りしているかどうかは壁紙の一部が剥がれていたり、天井にシミがあったりすることで見極めることができます。

空き家を見に行くときには欠かさずチェックするようにしましょう。

とはいえ、雨漏りのやっかいなところは気づかずに進行していることもあるという点です。雨漏りを実際に発見した時点で、既に悪化している場合もあります。ある日空き家を覗いてみたら、クローゼットや押し入れにカビが発生していたり、部屋に入った時に悪臭があるときは雨漏りしていることを疑ってみるべきです。雨漏りは悪化するまで発見することが難しく、また仮に見つけたとしても自分で修理するのは難しいことが多い厄介なものです。

少しでも早く見つけるためにもこまめに確認してみましょう。

掃除

空き家でも掃除はきちんとおこないましょう。室内の掃き掃除から庭の手入れまできちんとしておくことが大切です。特に庭の手入れは重要です。庭を放置したままだと害虫が発生する原因となったり、近隣住人とのトラブルになることもあります。庭をそのまま放っておくと、どんどん雑草が生い茂っていきます。すると、庭に生い茂った雑草が害虫たちの家になってしまうこともあるのです。

こうして大量に発生した害虫は、家や近隣にも悪影響を与えることがあります。

また、自分の家の敷地からはみだした雑草や樹木を隣の家の人は勝手に切ることができません。場合によってはそのことがもとで、近隣トラブルに発展してしまう、なんてことも起こりえます。もし、遠くに住んでいてなかなか空き家の庭の手入れができないというのなら、防草シートや除草剤などを活用することも一つの手です。

その他

雨どいや外壁の確認

塗装のはがれや、ひび割れ、カビの発生等が無いかを目視で確認します。

近隣の確認

近隣の環境変化や、境界付近の異常等『これまでと違ったことは無いか』等を確認します。

ポストの確認

郵便物等は配送先の変更を忘れずにしましょう。チラシ類等が大量に入っているケースもありますが、その場合はポストの入り口をテープ等で止めてしまえば大丈夫です。

空家を所有するコストとリスクについて

固定資産税

空き家はたとえ誰もそこに住んでいなくても、その不動産を所有しているひとに固定資産税がかかってきます。固定資産税は毎年1月1日の時点でその不動産を所有している人に納税義務があります。固定資産税の税率はほとんどの地域で1.4%ほどですが、都道府県や市町村で税率を定めることができるので、税率が異なる地域も存在します。

ただし、固定資産税は不動産の上に(空き家であっても)家が建っていると軽減税率が適用されます。その土地に建物があれば評価額が軽減されるから、固定資産税も安くなるというわけです。

特定空き家の指定

特定空き家とは2015年5月26日に施行された「空家等対策特別措置法」で新しく規定された空き家のことです。

■特定空き家とは
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
著しく衛生上有害となるおそれのある状態
適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

この特定空家に指定されてしまうと、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなるなど、所有者にとっても大きなデメリットがあります。ですから空き家の管理をきちんとおこなわないといけないのです。

管理費用

空き家の管理をわざわざ自分たちで行うのは面倒と感じられるかもしれません。空き家の管理は意外にやるべきことが多く、手間がかかります。

当社でも受託しておりますが、空き家管理を委託するケースの場合、月々の費用が数千円~数万円発生します。ただし、巡回は月1~2回が目安となります。通水や換気、庭の手入れ等もプランに入れる場合、費用が重なります。

ただし、このような空き家管理サービスを利用したとしても空き家の老朽化を完全にとめることはできません。空き家管理サービスはたしかに定期的に空き家を管理しますが、その頻度から、防犯のリスクや空き家の老朽化を完全に防ぐことができるわけではありません。

住宅用火災保険が使えない

多くの火災保険は、空き家だと加入できません。たとえ、以前入っていた火災保険に継続して加入してるとしても、空き家の場合、実際に保険金が支払われるというのはまれなようです。

たしかに、空き家であっても以前加入していた火災保険をそのまま継続しておくことは可能です。火災保険会社は、住民票などをチェックしているわけではありませんから、本当なら所有者の変更や住所変更などを保険会社にきちんと伝えなければいけません。ですから空き家になっていることをこちらから保険会社に伝えなければ保険会社は空き家になったことを知らず、そのため継続して保険料の支払いができてしまうのです。

しかし、多くの火災保険は空き家は保証の対象外となっていますから、仮に保険料を払い続けていたとしても、たとえ火災になったとしても保険金が支払われない可能性があるということになります

空き家を売却するメリット

管理コストとリスクの消滅

空き家を売却すれば、前述のコストとリスクはなくなります。わざわざ空き家を管理するために家に赴いて通水や換気をする必要もありませんし、管理会社にお願いをすることもありません。

また、家は将来的に値下がりする可能性もありまし、そもそも売れるときに売っておかないといざ売りたいと思っても売れないなんてこともあります。このようなコストとリスクを無くせるのですから空き家を売るというのも一つの手ではないでしょうか。

空き家売却の優遇税制の利用が可能

2015年5月より「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称・空家法)」が制定されました。これにより、家を相続して、その家を売却したときにかかる税金の一部が控除されるようになったのです。

亡くなったひとが暮らしていた家を相続した相続人は、その家を取り壊して土地を売った場合、その家、もしくはその土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除できる、というものです。ちなみにこの控除が受けられるのは相続日から3年を経過する日が属している年の12月31日までです。

このように税制上の優遇処置もありますので、空き家の売却も選択肢の一つとして考慮してみるのもいいかもしれません。

まとめ

たとえ空き家でも価値があります。資産的な価値はもちろんですが、思い出などの値段が付けられない価値もあります。自分で手入れするのもいいですし、管理会社にお任せするのもいいでしょう。または売ってしまうというのもいい判断です。

しかし、どちらにせよ、空き家を放置するというのは一番避けるべきです。たとえ今すぐに答えが出せないとしても、相続した空き家の所有にはコストとリスクが存在します。そのことを踏まえて空き家の運用や活用方法はご家族と話し合って今後も検討していってみてはいかがでしょうか。

ご相談はお気軽に受け付けております。

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