先日この様なブログを書いた矢先ではありますが・・・
https://lawyershousing.jp/lh2/2021/12/16/%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%83%aa%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%81%ae%e3%83%9d%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%88/
12月某日、都内にて『リノベーションアドバイザー資格認定講座』というものに参加してきました。
マンションリノベーションの現場において、マンションの構造や設備、法的規制、施工に関する諸問題などについての知識を習得し、顧客が安心して計画が進められるようアドバイスできる専門家です。
顧客に相対するリノベーション業務従事者は、マンション特有の規制である区分所有法や標準管理規約、キッチンや水回りの配置で重要となる配管やダクトの通し方、電気・通信設備など、一戸建住宅とは異なるさまざまな諸条件がある中で、顧客の夢をいかに実現していくか、的確な対応と提案力が求められてきます。
マンションリノベーションアドバイザー資格制度は、マンションリノベーションの相談・提案業務に携わる方の知識と技術の向上を目的としており、顧客の相談に応じるスキルを持っているかを判定し、一般社団法人日本ライフスタイル協会が資格認定する制度です。
この様に、リノベーション事業に携わる者として、一定の知識を有する必要性を感じ、参加してきました。当社は自社施工は行わないものの、第一線で判断する基準、目線を養う為には知っておいた方がよい、との想いで終日缶詰方式にて受講となりました。
- リノベーションの進め方
- マンション特有のルール
- 建築工事の知識
- 設備工事の知識
- 現地調査の知識
- プランニングの知識
主にこの様な内容で1日講義を受講しますが、以下の通り、重要なポイントをアウトプットとしてまとめました。知らなかった事もあり、目から鱗の様なことも含まれています。
マンション特有のルール/管理規約、使用細則を確認
リノベーションのスタートの時点で一番重要な事項です。この規約、細則にマンションごとの細かなルールが規制されており、疑問に思ったら管理組合(管理会社)に確認、言質を取っておく事がその後の工事をスムーズに行うに必要な極めて大事な事項になります。
窓ガラスの交換は原則できないとの認識でしたが、2016年の一部法改正により例外が設けられており、その事を組合も認識が無い場合があります。複層ガラスに変更ができる場合もあるので、組合に申請してみることも一つの方法の様です。
建築工事の基礎知識/床下地、界壁、間仕切りの作り方と遮音について
床を上げるのか、上げずに施工するかの判断も必要になります。また、間仕切りの作り方にも壁を作って床を貼るのか、床を貼ってから壁を作るのか、でも遮音性にも影響が出てきます。また後述する配管の関係により床を上げなければいけないか、上げるとすると天井との高さの影響がどれ位でるか、を見極める必要があります。
また、遮音に際して、床材の材質や、貼り方により音の問題は『ある程度』解決できるものの、足音等の比較的重量な音に対してはリノベーションでは解決がほぼできない、という点。音の種類にもパターンがある様です。
断熱に対しては、ガラス交換だけでは足りず、特に築年数が古いマンションではサッシを変えないと効果がでないとのことで、その場合には内窓(二重サッシ)が最も安価で有効だそうです。
設備工事の基礎知識/給排水ルートと排気ルートの確保
工事に際し、重要な事項です。給排水ルートと、排気ルートを見誤ると、思った様な間取り変更ができなくなります。
間取りを上から見た時に水廻りを配置できるゾーンが決まっており、どこにでも配置できる、という訳ではありません。残念ながら対面式にできない、といった現象も物件によっては出てきそうです。しかしここを見極める事で簡単に水廻りの位置を変更でき、見違えるリノベーションになる可能性も多いにあります。
施工業者がよく天井裏を除いたり、外の排気口を確認したりをちょくちょくしているのにはこの理由がある様です。
また、電気設備工事においても、元々の建物の設備構造上、『IHヒーター』が導入できない、と言った事もある様ですので、IHヒーターが入れられる、という訳ではありません。
現地調査の重要性
現地にて、排水勾配のことや、排気ルートの確保、これがどうなるかによりリノベーションの内容が大きく変わってくることになります。逆を言えば、排水勾配と、排気ルートを間違えなければ、理想的な空間に仕上げていくことが可能になります。
内装を壊してみて気が付いた、では時すでに遅し、と言ったことになり兼ねませんので、事前に充分に確認することが最も重要です。
元々のマンションの築年数、その年代により建て方や、使っている配管等も異なりますのでそこを理解、把握した上で臨むこともポイントのひとつです。
まとめ
いかがでしょうか。少し専門的な分野の内容になりましたが、それでもほんの入り口部分の内容です。当社はいつも施工業者と共にリノベーションしておりますが、この内容を踏まえた上で臨む事で、更によりよい物件を世の中に提供できる可能性もあります。
現在、中古マンションにおいて、築20年を超えてくるものは、今後600万戸に近づいてくる様であり、今後も中古リノベーション市場はますます活発になってくると思われます。
そして何より自社で提供する事で多くのノウハウが蓄積し、そのノウハウをお客様に還元できる機会が増えていくことに繋がると実感しています。