知っているようで知らないクリスマス

街に出れば、もうすっかりムードはクリスマスですね。街のイルミネーションや、ご家庭のライトアップ、店頭ディスプレイ等に、ほっこりする時期ですね。小さなお子さんもワクワクしているのではないでしょうか。

クリスマスは、本来イエス・キリストの生誕を祝う行事です。ここでは、そのクリスマスにまつわるあれこれを、意外と知らないことや、各国での定番は…といったような事等、クリスマスにまつわるアレコレを紹介します。

クリスマスにはなぜチキンなのか

クリスマスシーズンになると、スーパーの店頭やパンフレットにクリスマスパーティー用の食べ物が並びますが、なんとなく、「クリスマス=チキン」っていう認識がありますよね。

クリスマス文化の本場、欧米諸国では、クリスマスのディナーといえば、食卓にのぼる定番料理は、七面鳥の丸焼きです。日本では七面鳥がなかなか手に入らないため、その代わりにチキンがメインとなっているようですが、ではなぜそもそも、クリスマスに七面鳥、なのでしょうか。

その歴史は17世紀にまでさかのぼります。ヨーロッパからアメリカへ向かった移住民たちが、現地で飢えをしのぐために捕まえ食べたのが、七面鳥でした。そして、現地人であったインディアンからも七面鳥が与えられ、移住民たちは飢え死にせずに済んだ、という流れがあるようです。七面鳥は単なるごちそうではなく、アメリカ発の歴史ある縁起物だったということです。 今や七面鳥は、アメリカ文化においては縁起物として感謝祭やクリスマス、結婚式などお祝いの場には欠かせない食べ物になっています。

クリスマス自体が輸入の文化ですので、それに付随して、クリスマスには七面鳥や鶏肉を食べる認識が一緒に入ってきたのでしょう。さらにそれをケンタッキーフライドチキンがうまく広告に取り入れたことにより、日本でもなんとなく、「クリスマス=チキン」といった認識が定着したようです。

靴下のなぞ

クリスマス飾りの定番でもある、靴下。サンタさんからのプレゼントをもらうために、枕元に靴下をつるしておく、というイメージがありますが、ツリーのオーナメントや装飾グッズとしても靴下モチーフのものが多数あります。でも、これも、なぜサンタさんが靴下にプレゼントを入れてくれる、ということになったのでしょう?

これには、サンタクロースの起源となったストーリーと関係を持った背景があるようです。

サンタクロースの起源となったのは、聖ニコラウスの伝説。彼は4世紀ごろの東ローマ帝国は小アジア南西部に位置するミラの、司教だった人物です。聖ニコラウスは、日頃から困った人や貧しい人を助け歩いた慈悲深い人物であったようですが、ある日彼は、貧しさのあまりに三人の娘を売り飛ばすことを考えている一家の存在を知ります。そして真夜中にその家を訪れ、金貨を投げ入れたのだそうです。そのとき暖炉には靴下がさげられており、金貨がちょうどその靴下の中に入っていた、ということから、「サンタクロースが真夜中にプレゼントを靴下に入れていく」、という習慣ができたようです。

また、オランダでは子供たちが寝静まった証としてベッドに木靴を並べる、という風習からきている、という説も一部にはあります。

今でこそ、クリスマスのプレゼントは意味がまったく違いますが、大元は、そんな人助けの伝説だったようです。でも夢がある、という意味では今も同じですね。

世界のクリスマス

日本では、クリスマスイブである24日、子供たちが寝静まった頃にサンタクロースがやってきて、25日クリスマスの朝に目覚めるとプレゼントがある、といったことになりますが、これも文化によって多少の違いがあるようです。

オランダではクリスマスが1シーズンに2回あって、プレゼントは12月6日の「聖ニコラスの日」と、25日のクリスマスにもらえるようです。

ドイツでは、悪い子には「黒いサンタ」が捕まえに来る、という言い伝えがあるそうです。これだと子供たちはプレゼントがもらえないだけではすまないですね。

イタリアでは、クリスマスが1月6日まで続き、5日に魔女がやってきていい子にはお菓子を、悪い子には石炭をくれる、という伝説があるとか。

世界の定番料理

日本では先ほど紹介したチキンと共に、クリスマスといったらケーキも準備するご家庭が多いようです。ここでは世界の「クリスマス定番料理/スイーツ」をいくつかご紹介したいと思います。

豚の丸焼き(レチョン)/フィリピン

フィリピンは国民の多くがキリスト教徒であるため、欧米諸国同様、クリスマスはキリストの生誕を祝う儀式という認識のようです。ただ、食べ物は七面鳥やチキンではなく、豚の丸焼き(レチョン)。現地のクリスマスには欠かせないもので、パーティーではあっという間になくなってしまうほどフィリピンの方々は大好きな食べ物のようです。

鯉のフライ/ポーランド、チェコなど

カトリックが国教のポーランドでは、クリスマス前夜は肉食が禁じられており、クリスマスの定番料理といえば、鯉のフライ、なのだそうです。また、ポーランドのクリスマスイブのディナーは、カトリック教の12使徒にちなんで12品の料理を用意するのが伝統らしいです。

パネットーネ/イタリア

日本のパン屋さんでも見かけることが多くなったパネットーネ。イタリア語で「大きなパン」の意味で、ブリオッシュ生地のなかに、オレンジピールやプラム、レーズンなど刻んだドライフルーツを混ぜ込んで焼いた、ドーム型の菓子パン。イタリアではクリスマスが近くなると各家庭で焼き、親族や友人に配る習慣があるようです。

シュトレン/ドイツ、オランダ

生地にドライフルーツやナッツが練りこまれていて、表面には粉砂糖がまぶされている菓子パンです。このシュトレンは、アドベントカレンダーのように、クリスマスを待つ間毎日少しずつスライスして、食べていくもののようです。フルーツの風味が日を追うごとにパンにうつって味がよくなるため、今日より明日!と、クリスマスまでを楽しくカウントダウンできるのだそう。近年、12月に入ると日本の店頭でも見かけるようになりました。

クリスマスプディング/イギリス

イギリスの伝統的なクリスマスケーキ。プディング、ときいて、私たちが想像するいわゆるプリン、とはまったく違うようです。原料には、たっぷりのナッツ、ドライフルーツ、そしてミンスミートと呼ばれる牛脂をお酒に漬け込んだものを、小麦粉と混ぜて焼くのだそう。熟成させるほどおいしくなるため、秋口からこのクリスマスプディングづくりを始める家庭もあるのだとか。そして混ぜる工程では、家族全員が願い事をしながら混ぜるのだそうです。その時にボタンやコインなどを入れ、フォーチュンケーキ、として、食べるときに楽しんだりもするようです。

ブッシュドノエル/フランス

フランス語で、「ブッシュ」が木、丸太、ノエルが「クリスマス」の意。その名の通り、木や、切り株のような形をしているのが特徴です。日本でもクリスマスケーキとして、知名度も高いですよね。なぜ丸太なのか。

昔、クリスマスの前の晩といえば、家族皆が暖炉の前に集まってクリスマスソングを歌い、その大事な日のための暖炉にくべる薪は、一晩中燃え続けるようにと固いものが選ばれ、木の葉とリボンで飾り付け、油や、時には聖水で清めてから火をくべたようです。そして大事な一晩燃え続けたその薪の灰は、翌一年家族を守るものと、大事に保存されていたそうです。丸太の形状は、フランスの伝統的なクリスマスの過ごし方や儀式を象徴している縁起物、といえますね。

 

クリスマスにまつわるエトセトラをご紹介いたしましたが、いかがでしたか?

今年は料理にも、いつもとは違ったメニューを取り入れてみたり、お子様と一緒に、サンタクロースの由来や他の国でのクリスマスのお話をしてみるのもいいかもしれませんね。それでは良いクリスマスを。

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